2011年6月10日金曜日

HP、PalmのwebOS搭載タブレット「HP TouchPad」を7月に発売

 米Hewlett-Packard(HP)は6月9日(現地時間)、昨年買収したPalmのモバイルOS「webOS」搭載のタブレット「HP TouchPad」を7月1日に米国で発売すると発表した。

 7月1日に発売するのはWi-Fiモデルのみで、夏の終わりには米AT&Tの通信回線を利用できるモデルを発売する計画という。価格は16Gバイト版が499.99ドル、32Gバイト版が599.99ドル。カナダ、欧州とアジアの一部でも発売するとしているが、日本での発売は未定のようだ。

 米AppleのiPadと同じ9.7インチのディスプレイを搭載し、プロセッサは米Qualcommの2コアSnapdragon APQ8060 1.2GHzで、ネットワークはIEEE 802.11b/g/n、WPA、WPA2、WEP、Buetooth 2.1をサポートする。サイズは24×19×13.7センチで重さは740グラム。

 マルチタスクとFlashに対応し、前面のカメラを使ったビデオチャットが可能。HPのクラウドプリントサービス「ePrint」を利用して無線で印刷でき、コミュニケーションスイート「HP Synergy」によってGoogleのクラウドサービスやFacebookなどの情報を一元管理できるほか、webOSアカウントでHPのwebOS搭載スマートフォンと相互に連係できる。

 米国ではAmazon、BestBuy、Walmart、Office Depotなどの小売大手が販売する。6月19日に予約受付を開始する。

2011年6月9日木曜日

iCloud、従来の同期の問題点を解決?

 厳密にデータ矛盾を引き起こさず、複数の場所に分散したデータベースを同期させようとするなら、本来は運用方法や手順までを含め、キッチリとシステムの設計を行なわなければならない。

 もっとも単純な方法は、元本となるデータベースのみ更新可能とし、複製先のデータベースは参照のみに設定することだが、それでは運用の幅は狭すぎる。ユーザーはもっとコンピュータを自由に使いたい。そもそも使い方を覚えなければならない、という時点で、使ってもらえない。

 このため、"複製"などという言葉もなくしてしまい、コンピュータ同士が1対1でデータベースの中身を(場合によっては条件付きで)マージすることで、複製と同期を一度にやってしまおうという流れがPalm OS機などが流行したPDA
ブーム期に定着した。

 同期タイミングと更新方法によってはデータ矛盾も起こるが、大人数でデータベースを更新しないのなら、矛盾時の処理はユーザー自身で判断できる程度の軽い問題で収まってくれる。ならば、難しいことを考えず、シンプルにデータベースの中身の同一化だけでいいや、というわけだ。

 だが、同期という考え方が拡がり、さまざまなアプリケーションやサービスが同期機能を持つようになり、また同期すべき機器の台数も種類も増えてくると、それまでの"ゆるやかな"同期ルールでは、うまく回らないケースが出てくる。

 かつては、PDA(今で言えばスマートフォンがその役割を担う)内のデータベースを、すべての情報のオリジナルとして、さまざまなサービスやコンピュータと同期させるという、綱渡り的なデータ運用をしている人もみかけたが、こうしたゆるやかなルールでの同期では、いったいどれがオリジナルのデータなのか、すべてのオリジナルとなる"マスター"が曖昧になりやすい。

 自分ルールでマスターを決めていても、ちょっとした運用のミスや新しいデバイス、新しい同期ツールの影響で、マスターデータにダメージを受けるということもある。実際、筆者もかつてはかなり苦労したものだ。

 そのようなわけで、クラウドという言葉が生まれるずっと前から、インターネット上に唯一無二のリポジトリを持ち、それをマスターとしようという考え方はあった。しかし、そのための共通の枠組みがなかったのだ。異なる機器やソフトウェアをまたいで、同じ意味の情報を1つにまとめて同期させるには、標準的なデータ構造と意味解釈を決めなければならない。

 技術的な障害はなにもないので、すぐに解決しそうだが、これまで解決していないのには理由がある。従来はパーソナルコンピュータを基準にサービス設計を行なっていたが、パーソナルコンピュータのようにフリーハンドに多様なアプリケーション、データタイプを扱う機器では、標準の枠組みを作ることができず、たとえ標準的なデータ形式を決めても、みんな無視してしまう。

 話がやや横道に逸れたが、iCloudはiPhone(iOS)を基準にデータの同期を行なう。iPhoneに限らずスマートデバイスは、標準的なデータの形式をシンプルに扱うため、システム内での情報の扱いを統一しているのでリポジトリという考え方を盛り込みやすい。扱うデータタイプは、カレンダー、連絡先、To-Do、メモ、iWorkのファイルなどだ。

 マスターがクラウドに置かれる利点は、どんな機器からでも、オンラインになれば時と場所を選ばず、マスターにアクセスできることだ。Appleが"同期"という言葉を使わない理由もここにある。同期をユーザーに意識させなくとも、オンラインになれば常に"マスターデータ"に手が届くのだから、システム側で都合の良いタイミングで、なるべく早く同期を済ませてしまえばいい。

 ではGoogleとの違いは? という質問も出てくるだろう。本質的には同じと言える。しかし、GoogleはMac、Windowsともにパーソナルコンピュータに対するサービスが不十分だ。Googleはパーソナルコンピュータに対しては、ブラウザという窓を通してオン/オフともにアプリケーションを使わせようとしている。対するAppleは、利用する道具をフラットに並べる構成を今回から採るようになった。iCloudの利点はなにより、ユーザーに同期を意識させないことになるだろう。この部分を解決できているコンシューマ向けソリューションは他に知らない。

 もちろん、iCloudにはフォトストリームやiTunes Matchなど、機能面でも興味深いものが組み込まれている。Windowsに対しても提供されるストレージアクセスのためのAPI(iCloud Storage APIを見てWindowsのブリーフケー
スAPIを思い出したのは筆者だけだろうか。あれも拡張可能な同期スキームだった)などもあるが、これらはもうしばらく評価してから話をしたい。

2011年6月7日火曜日

「iOS 5」は今秋より無償アップデート提供

米国 Apple は米国カリフォルニア州サンフランシスコで開幕した開発者向け会議「Worldwide Developers Conference(WWDC)」(6月6日から10日)で2011年6月6日、次期モバイル OS「iOS 5」を発表した。200種類の新機能を搭載し、1,500種類の新 API を提供するという。2011年秋に、新クラウド サービス「iCloud」と合わせて無償提供を開始する。対応デバイスは、「iPhone 4」「iPhone 3GS」「iPad 2」「iPad」「iPod touch」(第3世代、第4世代)。

これまで iOS デバイスは管理用の Macintosh / Windows パソコンが必要だったのに対し、iOS 5 デバイスのアクティベーションやアップデートは無線 LAN(Wi-Fi)を介してデバイス単体で行える。パソコンなどで iTunes ライブラリを管理している場合は、Wi-Fi 経由で同期できる。さらに、クラウド ストレージ サービス「iCloud」およびクラウド音楽サービス「iTunes Match」との連携にも対応する。

iOS 5には、テキスト メッセージや着信、スケジュールやアプリケーションのアラームといった各種通知の集中管理機能「Notification Center」を搭載する。通知が届くと画面上部に表示され、どのような作業をしていても画面をロックしていても見逃さずに済む。

iOS 5 デバイス用のメッセージ交換サービス「iMessage」を導入する。Wi-Fi / 3G ネットワーク経由でテキスト メッセージや写真、ビデオをやり取りできる。通信相手をグループ化し一括送信することも可能。

新聞や雑誌を定期購読する新サービス「Newsstand」も提供する。App Store で購入した新聞などは自動的にアップデート配信され、最新号を読むことができる。

さらに、Twitter との連携を強化する。これにより、Twitter 対応アプリケーションからツイート投稿が行いやすくなるという。Web ブラウザ「Safari」やメール アプリケーション、メディア配信機能「AirPlay」、写真撮影機能の強化なども施す。

なお Apple は、iOS 開発者プログラム登録メンバー向けに、iOS 5 のベータ版とソフトウェア開発キット(SDK)の提供を直ちに始めるとしている。

iOS端末は2億台、iPadは2500万台を販売——Appleが実績を発表

 Appleは6月6日(現地時間)に開催したWorldwide Developers Conference 2011(WWDC)で、iOS端末やApp Storeなどの販売実績を公開した。同社によれば、iOS端末の販売台数は2億台を突破。モバイル端末のインストールベースのOSシェアで44%を占めることになり、シェア第1位のモバイルOSだと説明する(ただし、iOS端末の中には電話機能のないiPadやiPod touchも含まれる)。また、このうち2500万台はiPadが占める。

 App Storeにはこれまで42万5000のアプリが登録され、うち9万がiPadに向けたアプリであるという。アプリのダウンロード総数は140億回に達し、アプリ開発者には合計25億ドルがこれまでに支払われた。また、iTunesには2億2500件のクレジットカード情報が登録されている。このほか、150億曲がiTunesで販売され、iBookは1億3000本がダウンロードされたという。